●ザンダカ主義 ザンダカしゅぎ
AD
狭義にはマニ教,広義では表面上イスラーム教徒ながら,内心はゾロアスター教・マニ教などを信奉することを意味するアラビア語とされる。語源は数説あるが,ササン朝ペルシアでは,ゾロアスター教に対して異端説を出した者をザンディーク・ジンディークとも呼び,とくにマニ教徒の多くがその対象となった。アッバース朝の初期,過激なシーア派の運動が弾圧によって鎮まると,ザンダカ主義は重大な政治・社会問題となった。この場合のザンダカ主義者は,イブン=アルムカッファーらのイラン系新改宗者の知識人で,彼らは征服者である異民族の宗教への改宗の内心の抵抗を,マニ教やゾロアスター教の言辞で糊塗していたようである。アッバース朝第3代カリフ,マフディーは,アリーフという法官をおいて調査と処刑を徹底させたが,イスラーム思弁神学樹立の進展とともに,ザンダカ主義はしだいに衰えた。