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●山上の垂訓 さんじょうのすいくん

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 『新約聖書』の「マタイによる福音書」の5〜7章に展開されているイエス=キリストの説教。神の義を実践するにあたり,イエスがこの長い説教を一度に行ったものではなく,断片的なイエスの教訓を,福音記者マタイが編集して,一種の倫理教訓集にしたものである。山上という状況設定もマタイの想像上のもので「ルカによる福音書」では,前半が“平地の説教”として6章に収められている。内容は,〈こころの貧しい者は幸いである。天国は彼らのものである〉(5章3節)以下の“祝福の辞”,〈右の頬を打つなら左の頬を〉というイエスの律法の徹底性・内面性が旧約律法との比較において説いてある。また,有名な“野の花・空の鳥”や“狭き門より入れ”の例話や“主の祈り”も含まれている。これらすべてイエスの倫理の中核をなすものであるが,“律法の成就者”としてイエスを宣教しようとしたマタイの編集意図をみのがしてはならない。