●サン=シモン
ヨーロッパ フランス共和国 AD1760 フランス王国
1760〜1825 フランスの空想的社会主義者。パリ生まれ。16歳で入隊、米独立戦争に義勇兵として参加。大革命テロリズム期にはリュクサンブールに幽閉された。晩年は貧困で、理想社会を求める諸努力にかかわらず人生に失望し、自殺をはかる(1823)。死後、弟子たちによりサンシモン主義の名が生まれた。彼の活動期は大革命から王政復古期つまり市民革命とその復讐、産業革命の遠雷のなか、破壊と無秩序と建設の混乱期にあたる。彼は人間の能力が自由平等に発揮できる理想社会を求めて資本主義の再組織を主張した。社会の怠者=貴族・僧侶などの廃止と働き者=労働者・商工業者・銀行家など産業階級による社会運営である。また現下の無秩序の原因を道徳的問題とみて、道徳的宗教的観念体系の再組織を主張。その一環として、一切の科学を統合する普遍的法則の発見、ことに“人間の科学”の必要を説いた。学問は憶測的段階から実証的段階へ発展するという彼の考えを、高弟コントが実証哲学として完成した。唯物史観の萌芽、社会主義行動など後世の諸理論の芽をもっているが、マルクスからは、観念的非現実的な空想的社会主義と批判された。主著として『産業体制論』『産業者の政治的教理問答』ほかがある。