●山家集 さんかしゅう
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平安末期の歌人西行の歌を集めた私家集。成立・撰者など不明であるが,西行の生存中に原型がまとめられ,増補され,現在の上・下巻となったと考えられる。その内容は,上巻に四季・恋・雑の歌,下巻に雑の歌と恋百十首・旅の歌・花や郭公ほかの十題百首などからなっている。近世初頭より,俊成『長秋詠藻』・良経『秋篠月清集』・慈円『拾玉集』『山家集』・定家『拾遺愚草』・家隆『壬二集』が『六家集』として広く流布した。西行の歌は,当時の宮廷歌人たちの邸内における想像による詠歌とは異なり,旅や修行の場で自然を詠み,自省する歌が多く,〈心なき身にも哀れはしられけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ〉〈淋しさに堪えたる人のまたもあれな 庵並べん冬の山里〉〈なげけとて月やは物を思はするかこちがほなる我が涙かな〉などが『山家集』に載る。西行の私家集には『聞書集』『西公談抄』『西行上人集』がある。