●サロメ
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イエス当時のガリラヤの領主ヘロデ=アンティパスの後妻ヘロデヤの娘。『新約聖書』の「マタイによる福音書」7章・「マルコによる福音書」6章に登場するが,サロメという固有名詞は出ていない。ヘロデ=アンティパスは,異母兄弟の妻であったヘロデアに恋し,自分の妻を離縁し,ヘロデアを娘とともに宮廷に迎え入れた。バプテスマのヨハネに〈兄弟の妻を娶る〉と非難されたため,ヨハネを獄に捕えていた。不義をなじられたヘロデアもヨハネを憎み,彼を殺す機会を待っていた。おりしもヘロデ王の誕生祝いの宴でサロメが踊り,その優美さを誉められ,望むものを与えるという申し出を受ける。彼女は母ヘロデアの意見にしたがいヨハネの首を求め,王は約束の手前,ヨハネの首をはねて彼女に与えたといわれる。オスカー=ワイルドの『サロメ』に,ビアズリーが,盆の首を愛撫する頽廃的なサロメのさし絵を加えたことから,近年さらに有名になった。