●猿聟入 さるむこいり
アジア 日本 AD
異類求婚譚の一種。猿の嫁になった娘,もしくは嫁となるはずの娘が,策略を用いて猿からのがれる昔話。全国的に分布し採集例も多い。3人の娘をもった父親が,田畑の仕事を手伝ってくれた者に娘の一人をやると呟くと,猿が現れて手助けする。困った父親は娘に相談するが,姉二人は断り,末娘が承諾する。猿の許に嫁いだ娘は,里帰りのときに餅を入れた臼を猿に背負わせて帰る。途中,川岸に咲いている桜を見て娘は取ってくれと頼む。臼を背負ったまま枝先に登った猿は重みで川に転落し,辞世の歌を詠みながら流される。以上は,東日本に多く分布する話で,娘が里帰りの途中に難をのがれるところから“里帰り型”と呼ばれる。西日本では,おもに嫁入りの途中に猿を入水させる語り方が支配的で“嫁入型”と称している。両型はほぼ日本アルプスを境として東西に分かれ,新潟・長野・岐阜など両型の接する地域では複合型がみられる。モチーフには蛇聟入との共通点が多い。