●ザール地方 ザールちほう
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD
西ドイツの南西部の州で,フランスとの国境にあたる。面積2,567平方km,ザールブリュッケンが主都。層の厚さ3,800m,埋蔵量は170億tと推定されるザール炭田があり,隣接するロレーヌの鉄鉱と合わせて,ヨーロッパ屈指の大工業地帯になっている。古くから,ドイツとフランスのあいだで,領有をめぐる争いがみられたが,住民の90%はドイツ人である。近代に入ると,豊富な炭田と製鉄業のために紛争は激しくなり,ナポレオン時代はフランスが領有した。1815年,プロイセン領とバイエルン領に分けられたが,1871年の統一でドイツ領となった。第一次世界大戦の結果,国際連盟が管理するところとなり,炭鉱はフランスが所有したが,ヒトラーは1935年,住民投票でドイツに復帰させた。第二次世界大戦後はフランスが占領し,1947年にはドイツから分離して独立を宣言した。しかし,独立派とドイツ復帰派が争い,1955年の住民投票でドイツ復帰派が勝ち,ホフマン内閣が退陣。1956年,ドイツ−フランス間の協定が成立して,1957年1月1日よりドイツに編入された。森林の丘陵地が多く,南部にはザール川が流れている。