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●サライ

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 キプチャク=ハン国の首都。サライは,ペルシア語で宮殿の意。サライには二つある。一つはバトゥがヴォルガ川下流域,今日のアストラハンに近い所に建てたもの,もう一つは,ベルケ=ハンがそれよりも北方の同河支流アフトバ河畔に建てたもので,前者を旧サライ,後者を新サライと呼んで区別する。いずれも廃墟が残っていて,19世紀中葉よりロシアの学者によりロシア革命後も継続して発掘調査が行われてきた。新サライの方が規模が大きく有名である。その市街地は,おおよそ東西5km,南北4kmで,北部にモンゴル支配層の居住区があり,南部に商業区・手工業区があったとみられる。当時,穀物・織物・金属製品などを取り扱う隊商貿易の一大中心地になっていた。また,溶鉱炉があって鉄・銅製品が精製され,陶器・化粧煉瓦・ガラス器なども生産されていた。いくつかの人工的貯水池があり,そこから粘土製土管で水を市街に引いていた。この新サライも,1359年に侵入したティムール軍によって徹底的に破壊された。