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●サムエル

アジア イスラエル国 BC1050 

 前1050年ごろのイスラエルの士師・予言者。サムエルとは“神の名”の意。『旧約聖書』の「サムエル記」によれば,“先見者”“神の人”と呼ばれ,イスラエルの精神的な指導者として活躍していた。父エルカナと母ハンナのあいだに生まれ,祭司エリのもとで修養を積み,ペリシテ人の圧迫に苦しむ民の声を聞き,サウルを王としてこれに対抗させた。しかしサウルが神に背くと,ダビデに油を注いで王として,サウルの最後を予言したといわれる。当時のイスラエルは,契約による,ゆるやかな部族連合時代から王国時代への過渡期に位置していた。カナンに定着した彼らにとって,国家形成したペリシテ人(パレスチナの地名に由来)は脅威であった。神のみに仕えるとして王政を拒否するのがイスラエルの伝統的立場であったが,ペリシテ人に対抗するため軍事上の集権化を切望する民衆に譲歩したものと思われる。これ以後,ダビデ・ソロモンの“イスラエル王国”時代を迎える。