●サトラップ
アジア アジア AD
古代ペルシア帝国における諸州の総督。アケメネス朝のダレイオス1世は,属州制をとって帝国を20の州(サトラッピ)に分け,各々の州にサトラップという総督を任命して,その統治を行わせた。サトラップに与えられた権力は絶大であり州の行政・治安・裁判・軍事・徴税をまかせられていた。ダレイオス1世は,このサトラップの権力を牽制するために,のちにその軍事権をとりあげて王直属の将軍をに駐在させたほか,サトラップのもとで記録を担当していた書記官や徴税事務官も王直属とした。このようにして,サトラップから軍事権・徴税権をとりあげる一方,「王の目」「王の耳」と称せられた独特の監督制度を設け,「王の目」には地方巡察を,「王の耳」には諸州の状況やサトラップの動行の報告を,それぞれ担当させた。サトラップの制度による広大な領土支配は,「王の目」「王の耳」の制度を通じて,中央集権体制の実をあげたのだった。