●サーデク=ヘダーヤト
AD1903
1903〜51 イランの首都テヘランの貴族の家に生まれる。ペルシア古典言語・文学・歴史の素養も深く,芸術家・医師・官吏・学者とさまざまな才能に恵まれながら,いずれの職業をも生業とすることなく生涯を読書と著作のうちに過ごした。1926年から3年間をベルギー・フランスに留学し,1937年からほぼ1年間インドに滞在し,ヨーロッパでは実存主義,ことにカフカの影響を強く受け,チェーホフ・ドストエフスキーにも関心を寄せ,東洋思想から深い感銘を受けたという。戯曲・評論・翻訳と著作は広範にわたるが,近代イラン文学の小説家として不動の位置を築いた。代表作『野良犬』『ハージー=アーガー』『盲目の梟』などに対する欧米の関心も高く,すでに多くの言語に翻訳されている。美意識の追求に苦しんだ薄幸の作家は,フランスのアパートで48歳の生涯を閉じ,パリの墓地に葬られた。