50音順    検 索

●雑種賤民 ざっしゅせんみん

アジア 日本 AD 

 基本的には,近世の「エタ・非人」身分に位置づかない雑多な賤民の総称として用いられる。その呼称や職種は地域によりかなりの違いがある。たとえば,関東においては,乞胸(ごうむね)・猿飼(さるかい)などがあり,乞胸の生業は「物貰渡世」とされ,その職にあるあいだは,非人頭車善七の支配を受けたが,身分的には町人であった。また,加賀藩の藤内は,下級刑吏など役人村としての労役を課せられていたが,皮革生産に従事するエタ身分とは区別された。そのほか,山陰地方の鉢屋・山陽地方の茶筅(チャセン)など,雑芸能や竹細工を生業としたものも多い。畿内周辺には夙(しゅく)があり,雑芸能や運輸業に従事している。これら以外にも,陰亡(おんぼう)・舞々(まいまい)・物吉(ものよし)などがある。これらの呼称や職業は,中世に系譜をもつものが多いと考えられるが,その詳細は決して明らかではない。1871年(明治4)8月28日の太政官布告によって,エタ・非人同様,その称を廃されるが,結婚・就職など,今なお差別は存続している。