●沙汰人 さたにん
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裁判や衆議の決定,あるいは官衙における公務の処理ならびにそれに伴う命令や通告などを沙汰といい,その執行者が沙汰人である。沙汰はもともと水中で砂を汰(ゆす)って砂金を選り分けることをいう漢語で,転じて物事の是非を判断したり,適切な処置をする意に用い,さらに語義がひろがって判決・決定事項・命令・通知・処置などを意味するようになった。『続日本紀』延暦5年(786)4月11日条の〈所司宜しく詳かに沙汰し〉などは古い用例である。官衙や荘園では雑掌が沙汰の執行に携わったが,中世になると寺院における役僧衆会や衆徒集会の制度が発達し,その衆議の結果を契状・起請文などの文書に作成し一同を代表してその執行に当たる者を沙汰人と呼ぶ慣習がひろまり,やがて中世の惣村自治が発達すると村落を代表する有力農民がオトナ(老・乙名・大人)百姓とか,五長・沙汰人と称するようになった。近世郷村制下では村全体を代表する地下役人の呼称となった。