50音順    検 索

●作間渡世 さくまとせい

アジア 日本 AD 

 作間稼・作間商・農間稼・農間渡世・農間余業ともいう。江戸時代,農民が耕作の合間に行う各種の諸稼ぎ(営業)のこと。封建領主は,農民が耕作を怠り,その結果土地が荒廃して年貢収納量が減少することを恐れた。そのため,農民が商業活動に専従することを厳しく禁止した。1706年(宝永3)の『上田藩村明細帳』(信濃国)には各村ごとに作間渡世の記載があるが,この段階では〈男稼一耕作の間に薪を取る。女稼一木綿布を少々織る〉といった類の家計補充的色彩の濃いものがほとんどであった。しかし,その後の農村における商品作物栽培の普及や商品生産のめざましい展開は,農民が商業行為を行う機会を増加させた。「作間稼」とは名ばかりで,むしろそれが経営の中心となっている場合も少なくなかった。そこで幕府は,文政期から天保期(1818〜43)に農間会業の調査を実施してその実態把握につとめた。幕末期には,上層農民は米穀商や酒造業・質屋経営などに従事し,また下層農民も交通・運輸関係をはじめとする各種の賃稼ぎを行うことが多かった。

〔参考文献〕東京大学史料編纂所編『大日本近世史料・上田藩村明細帳』1953,東京大学出版会

野村兼太郎『村明細帳の研究』1949,有斐閣