●坂迎 さかむかえ
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寺社参詣を目的とする代参など,遠方の旅に出た者が村へ帰着するにさいしてそれを迎え入れる習俗。酒食を持参した村人や家族が村境まで旅人を迎えに出,そこで共同飲食する例が多いことから酒迎えとも書くが,本来は“境迎え”の意であろう。このほかにも旅人に晴着を着せ行列をつくって賑やかに村に入る例や,帰着すると村の籠り堂などに一泊してから家に帰る例,あるいはいったん仮屋に入り,その仮屋に火を放って火烟りのなかから旅人が外へ飛び出して村人に帰着の挨拶をする例など種々のタイプがある。もともと村境から外は神界であり,ここを旅した者は何らかの神格を獲得するものと考えられていたらしい。こうした神としての旅人を村へ迎え入れ,またそうした旅人をふつうの人間の状態に帰還させる宗教的な意味をもつ儀礼であったと考えられる。ところが代参講が盛んになってくると旅の本来の意義が忘れ去られ,複雑な様式が加味され今日みる種々のタイプが生じた。