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●さおり

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 田植の初めに田の神稲魂を迎えまつる行事。田植の終わりのサノボリに対応する。サは田の神または稲魂を意味することばでサ降リ・サ昇リの意であるとされる。サビラキ・サイケ・サイタテ・田ノ神迎エなどと名称には変化があるが,ほぼ全国的に分布している。田植初めに田の水口などに小さな祭壇を設けて,苗代から取った早苗の束を稲魂または田の神の依代(よりしろ)として置いて,酒やシトギや花柴などを供えて家ごとに祭る。また家の台所の大の上に早苗の束を置き,あるいは前庭に木臼を台にして早苗の束を置き,ここを祭壇にしてサオリを行う例も多い。サオリは南島の奄美大島や沖縄諸島でもソーリといって行う。これらの島では実際の田植よりも10日ほど早く,特別に育てた稲苗を3本とか5本とか田の水口に植えて帰ってソーリ飯を食べる。これはサオリの古形を示すものであろう。

〔参考文献〕倉田一郎『農と民俗学』1944