●サイフ=アッダウラ
AD916
916〜967 アレッポを首都としたアラブ系王朝,ハムダーン朝の君主。在位945〜967。父の代にアッバース朝のモールス総督に任用され,父の死後兄のハサンはその地位を継承し,アリーはワーシトを領有した。942年,アッバース朝の実権を握っていた大総督(アミール=アルウマラー)のイブン=ラーイク暗殺の功により,カリフから兄はナースィル=アッダウラ(国家の守護者),アリーはサイフ=アッダウラ(国家の剣)という称号を送られた。945年,エジプトのイフシード朝からアレッポを奪ってモースルの本家から独立してここを首都とした。以後ダマスクスの領有をめぐってイフシード朝と争う一方,毎年小アジアのビザンツ領へ軍を進め,ビザンツの南下を阻止したのでその領域は北シリア・上イラク・小アジアの一部におよんだ。大学者ファーラービー,アルブの代表的詩人ムタナッビー,『歌の書』の作者イスファハーニーなどの文人・学者を保護したことでも有名。