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●彩陶 さいとう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の新石器時代に現れた彩色文様を施した土器。「釉薬(ゆうやく)」(うわぐすり)のかかったものは含めない。砂まじりの,または良質の粘土でつくった土器に,鉄分を多量に含んだ紅土(焼成後黒くなる)や,赭(しゃ)石(焼成後赤くなる)をといて種々の文様を描き,つぎに約1,000℃で焼成する。この場合の彩色は落ちにくいが,焼成後に彩色したものは落ちやすい。彩陶は,黄河流域の仰韶文化に発達し,文様は幾何学文や動物文など多様であり,彩色は黒・赤から,しだいに多彩になる。とくに黄河上流域の甘粛・青海地方では,多様な彩陶が大量につくられ,渦巻文連孤文蛙文・鳥文などの複雑精緻な文様が施されており,中国の彩陶芸術の宝庫といわれている。しかし,仰韶文化とほぼ同時代の,江南地域の河姆渡文化には素朴な彩陶片が出土し,山東地域の大ブン※注1※口文化には紅・黒色の種々の文様で独自の風格をもつ彩陶があって,黄河流域とは異なる。また江淮地域の青蓮崗文化,ついで江南地域の良渚文化・江漢平原の屈家嶺文化にも彩陶がある。彩陶の起源については,西方伝来説や南方伝来説もあるが,中国独自の発生説が根強い。

〔参考文献〕文物編集委員会編『中国考古学三十年』1981,平凡社

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