●在家 ざいけ
AD
[1]出家に対する語。俗生活を営みつつ仏道に帰依する者。[2]中世における農民の特定な存在形態。荘園において,中央の,荘園領主・国衙(地方官庁)または現地の土豪付領主が,農民の人身・住屋および付属する園・宅地とを収奪の単位として,統一的に掌握し財産所有の一形態としていた。その農民・家屋・園地の総体を在家といい,その在家を単位に賦課する収取物・賦役を在家役といった。その形態は時代・地方により異なる。律令制の租・庸・調を中心とした個別人身的支配体系が崩壊してくると課程はしだいに家を単位にした収取体制へ転換し,用地への賦課とともに農民の人身・家屋・園地を統一した賦課単位へと移行していった。荘園の不輸不入制が未完成の段階では,官物・地子など田地の正租にあたるものは国衙に,雑仕事・賦役などは荘園領主に納入する,などの二重支配関係がみられたが,それは,田地別・在家別という新しい二つの収取体系があったことを示している。