●細工 さいく
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一般的には手工業者やその技術をいうが,その範囲は時代により異なる。平安後期から室町時代にかけては「職人」を「道々の細工」などと呼び,種々の芸道に従事する人々をさした。ここでいう職人とは広く非農業民をさしており,「細工」も,手工業生産だけでなく販売交易を含めた職域およびそれに従事する人々を示している。江戸時代になると,家屋敷をつくる大工などとは区別され,狭義の手工業生産およびその従事者をさすようになる。また,被差別部落を「細工」「細工村」と呼ぶこともある。これは,被差別部落が皮革生産や雪沓づくりなどさまざまな手工業生産に従事していること,中世において広義の職人層が非農業民であるがゆえに「賤民」「非人」として差別の対象であったことの社会的遺制を示すものといえよう。〔参考文献〕網野善彦『日本中世の民衆像』1980,岩波新書
横井清『下剋上の文化』1980,東京大学出版会