●坤輿万国全図 こんよばんこくぜんず
アジア 中華人民共和国 AD
1602年,中国明代に李之藻(1565〜1630)が,中国に伝導した耶蘇会士マテオ=リッチ(1552〜1610イタリア人。中国名利瑪賓)のもたらしたヨーロッパ人の世界地図をもとにして漢訳し作製した地図である。リッチは1601年北京に入り宣教に従事し,中国人官吏にキリスト教の優秀性を理解させるには中国古来の暦学よりも西洋天文学のすぐれていることを教えるのがよいと考えた。自鳴鐘・世界図・ユークリッド幾何学をも伝えた。李之藻(1598進士)は西洋の学問・科学技術に傾倒,1610年リッチにより洗礼を受けた。彼に協力した作品は多いが,この全図は『天学初函』理器2編(1630)とともに鎖国時代の日本人の世界知識の拡大に多くの寄与をなした。中国人の中華思想を満足させるように中国を中央部にすえ,リッチが中国で得た中国・朝鮮・日本に関する資料を加えており,未知の南方大陸や新大陸,各地の民族や物産をも記述している。