●コンプレックス
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観念複合体と訳されることもある。精神分析学的概念。この用語を現在の意味で最初に用いたのはユングである。個人の無意識内にあって,一定の情動を中心として集合した観念や記憶の集まりを意味する。この観念群は,多くの場合,幼時期の対人関係の体験,とくに心的外傷体験を基に形成され,一度形成されると,類似の観念や体験を引きつけますます強力となる。苦痛・嫌悪感・恐怖感などを伴うことが多いため,抑圧され無意識的なものとなっていることが常である。無意識化されても,影響力を失うわけではなく,思考・感情・態度・行動などにさまざまな影響を及ぼす。失錯行為・夢の顕在内容・神経症の症状などのなかに,形を変えて表される場合もある。コンプレックスには多くの種類があり,フロイトの重視したエディプス=コンプレックスや,アドラーの重視したインフェリオリティ=コンプレックスなどが有名である。