50音順    検 索

●墾田永年私財法 こんでんえいねんしざいほう

アジア 日本 AD 

 743年(天平15)発布の律令政府の土地法。“永世私財法”“永代私有令”のように長く呼称が一定しなかったが,史料の文言に従って見出しのように表すのが今日の通例である。内容については,『続日本紀』『令集解』『類聚三代格』が三者三様の記載をしているが,本来,[1]墾田を永年収公しない宣言,[2]品位階による墾田地占定面積の制限,[3]国司在任中の取り扱い,[4]具体的手続き規定の四つの部分から成っていたと見られる。従来,同法は班田収授制や律令体制全体の崩壊要因としてとらえられることが多かったが,唐田令や国内での班田収授制度実施と関連づけた近年の研究成果により通説は再考を迫られている。すなわち,同法と律令政府の政策基調とはなんら矛盾しないと考えられてきているのであり,律令制的土地制度衰退の原因については,同法の発布でなくその法意の崩壊にこそ緒を求めるべきであろう。