●コリント式 コリントしき
ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD
ギリシア美術史で前8世紀から前6世紀にかけてコリントス地方に見られる美術様式をコリント様式またはコリント式と呼ぶ場合もあるが,一般には古代ギリシアの建築史で列柱の様式をさす。荘厳重厚なドリス式や華麗なイオニア式に対して,コリント式はいっそう繊細優美であり,装飾的要素が強調されている。イオニア式の変形であると考えられるが,その歴史は意外に古く,前6世紀にはその原型が見られる。三様式の違いは直径と高さの比・柱頭の様式・柱の上の構成(エンタブラチュア)に見られる。コリント式では直径と高さの比は約1対10で,細長い。柱頭には下半分に二段のアカントスの葉の彫刻が施され,上半分にぜんまいの形をした飾りが四隅に付けられている。これはイオニア式の渦巻の変形であろう。コリント式は最初はおもに内装に用いられたらしい。外装に用いられた最初の例は前4世紀後半のリュシクラテスの合唱団記念碑である。ヘレニズム時代には東方のシリアから西方のローマに広まった。ローマ時代にはアカントスの葉の上に人物や翼のある馬などが彫られるようになった。ローマ人は好んでこの柱式を用いたが,しだいに装飾的になり,柱本来の役割は失っていったのである。ギリシアではオリュンピエオン(前174),ローマではパンテオンにコリント式の代表例を見ることができる。
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