●子安貝 こやすがい
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軟体動物門腹足類タカラガイ科の巻貝の別称。大形のハチジョウダカラ(八丈宝貝)をさすことが多い。ハチジョウダカラは大きさも形も手でにぎるのに都合がよく,これをお産のときににぎっていると安産するとの言い伝えにより,子安貝の名が生じたと思われる。タカラガイ類は,形が卵形で色彩が美しく,また,女性器との形状の類似から,多産・豊饒といった呪的な霊力をもつと考えられてきたため,古くから珍重され,『竹取物語』にもその名がみられる。安産の目的以外にも,増殖の象徴という点から,たんすのなかに入れておくと,衣類がふえるという俗信もある。子安貝についてのこのような考え方は,日本に限らず全世界に分布しており,墳墓などからの出土例もかなりある。さらに,経済的価値を備えることから,古代中国や沖縄での南洋貿易において,アフリカ・インドシナ半島では近年までも貨幣として用いられてきた。タカラガイ類は,おもに熱帯地方の浅海に生息する。