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●木挽き こびき

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 杣が伐採した樹木を手挽き鋸や斧(よき)などを用いて製材する人々。タマに切ったり,面をとって角材にしたり,オガとかマエビキなどと呼ぶ大鋸で板材にしたりしたが,機械鋸の普及により急激に衰微消滅した。ふつうリンと呼ばれる台に木材をかけて作業するので,仕事場をリンバなどという。“木挽の一升飯”ということばがあるように体力を要する仕事であったが,なかには女木挽きもいた。自らの技術のみを頼りに各地を渡り歩き,渡世の作法に一定の方式があったワタリコビキがみられた一方,農閑期に従事するのみのノキバコビキもいた。木挽き仕事の上手下手は鋸の目立てで決まるとされ,これにとくに意を用いたという。信州伊那谷では,1日に尺板(長さ6尺・幅1尺)を20枚も挽けば一人前で通ったという。とくに山ノ神や伊勢大神宮などに願かけをした願主コビキは,1日に尺板60枚を挽くという驚異的な仕事ぶりを発揮し,注目される存在だった。