●個人の尊厳 こじんのそんげん
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世界のあらゆるものはそれ自体の価値をもたないが,人間はそれ自身の価値をもち,その人格を他のなにものによっても手段とされず,目的そのものとして尊重されるべき絶対的価値をもっているとされるとき,この絶対的価値を尊厳と呼び,こうした考えが近代市民社会の「個人による契約自由」「私的自治」という社会生活上の基本原則と結合するとき,ここに「個人の尊厳」という価値感情が成立する。民主主義は,この個人の価値の尊重を前提とする思想であり,これが憲法の基本的人権保障の規定としてあらわれる。「個人の尊厳」は,教育基本法前文にもあるように,日本国憲法の精神にもとづく教育全体の目的の基本であり,また社会科教育においては,個人の尊厳の意義を具体的に認識させることが民主主義に関する理解を深めることの前提とされている。中学校「公民的分野」の教科書の多くが「個人の尊厳」から始まるのも,このためである。