●戸主権 こしゅけん
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家の長たる戸主に付与された諸権限。戸主を家長といいかえ,戸主権を家長権と呼ぶ場合も多い。戸主権は家の外に対する代表権と,家の内に向けられる家族統制権,財産権,祭祀権などとに区分される。家は村落・親族の単位をなすものであり,戸主は家を代表して村寄合・村仕事に出,親族の祝儀,不祝儀に加わらなければならなかった。対内的な諸権限は,その内容も強弱も時代,地域,階層,職業などによりまちまちである。たとえば家族統制権は,鎌倉時代以来武家社会では著しく強化されたが,庶民社会ではそれほどでもなく,家の主婦のもつ主婦権と責任を分かち合う風であった。明治の民法では,家族統制権を主に11種の戸主権に規定した。また戸主権をはじめ戸主に関する相続を家督相続と称した。村落社会では,戸主権の譲渡をダンナワタシ,ヨユズリなどといい,これにより隠居となり,対外・対内ともに引退しようとする慣行が各地にみられた。