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●五色の賤 ごしきのせん

アジア 日本 AD 

 日本の古代において,陵戸・官戸・家人・公奴婢私奴婢を五色,つまり五種類の賤民と称した。陵戸は先皇の陵に配され,これを守護する者であった(喪葬令)。その実態は,『延喜式』巻21,諸陵寮の条からうかがえよう。官戸は,官司の雑役に駆使される賤民である。「戸令集解」によれば,良民が刑罰によって降されたもの,官奴婢で66歳以上に達したもの,または廃疾のもの,家人・奴婢が主家のものと通じて生まれた子をもって官人としたという。家人は,奴婢に類するが,家族を構成することが許され,頭を尽して駆使されることがなかった。公奴婢は政府所有の奴婢,私奴婢は個人所有の奴婢である。奴婢は五色の賤の最下層で家族構成も認められなかった。これらの賤民は,「当色,婚を成せ」(戸令)と規定されるように,陵戸陵戸としか通婚することは禁ぜられた。官戸・公奴婢の戸籍は,別につくられ,本司と太政官に送られる規定であった。公奴婢は76歳以上に達すると,自分を開放されて,良民とされた。

〔参考文献〕滝川政次郎『日本奴隷経済史』