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●古事記伝 こじきでん

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 国学者本居宣長(1730〜1801)の代表的著述。『古事記』全体の浩瀚な注釈書。全44巻。近世における古典研究の卓越した成果であるとともに現代にいたるも『古事記』のみならず,古代文化研究の基本書たる地位を失っていない。宣長が『古事記』研究に着手したのは1764年(宝暦14)ころ,最後の巻の浄書終了は1798年(寛政10),宣長69歳のときであった。刊行は1790年(寛政2)から1822年(文政5)。宣長没後20年余にして刊行を終えた。『古事記伝』における研究態度は,まず諸写本などへの厳格な批判の上に本文を校訂し,訓法を付し,さらにそれに周到な注釈を加えるといったものである。わからないものはわからないと率直にいうなど,まさに学問的である。しかし,校訂訓法も万全とはいえず,また宣長自身の目的が古語による古代の“真実”の探求であったため,ややもすれば,強引な解釈を示す場合もあった。とはいえ宣長のこの著述により『古事記』は一躍神典としての高い位置を占めるにいたった。