50音順    検 索

●ココナッツ

AD 

 ヤシ科の一種ココヤシの実。ココヤシは1属1種で,亜熱帯・熱帯圏の重要な有用植物である。原産地については,中南米説もあるが,現在ではインド,オセアニア説が妥当と考えられている。樹高は20〜30m,葉は長さ4mほどの羽状で常緑,毎年10枚くらいずつ落ちる。花は雌雄同株だが,タヒチ産の矮小種を例外にして,雌雄の開花期が異なるために,自家受粉ではなく,ほかの樹とのあいだに交配が行われる。今日,多くの栽培変種があるが,上記の理由からそのすべてを決定することは困難である。発芽後,5〜7年で結実を開始し,10年で成木となる。以後50〜60年にわたり毎年60〜200個の実をつける。実は楕円形で長径が25〜30cmである。表皮の下は厚い繊維層で,これは耐水性があるので,たわしやカヌー用のロープをつくるのに用いられる。この繊維層に包まれて,直径10〜15cmのかたい殻があり,これは食物容器や装飾品に利用されたり,活性炭をつくるのに用いられる。厚さ3mmの殻の内側に,成熟すると厚さ1.5〜2.0cmほどの白い胚乳が形成され,この部分のみがココナッツと呼ばれることもある。胚乳の内側はココナッツ=ジュースと呼ばれるほの甘い液体で満たされているが,これは飲用や炊事用に用いられる。

【胚乳の利用】[1]そのまま食用にする。生食したり,薄片や糸状にしたものをケーキの材料にする。また粉末状にしたものは各種料理に加えられる。[2]粉末状にしたものを絞って乳状のココナッツ=ミルクまたはココナッツ=クリームをつくり,調味料として用いる。熱帯アジアやオセアニアの料理を特徴づける重要な素材である。[3]砕片にしたものを発酵させて水を加え,ソースをつくる。タヒチ付近で行われる。[4]胚乳を乾燥させて“コプラ”をつくり,これを絞ってココナッツ=オイルを得る。ココナッツ=オイルは,食用油・香油として直接用いられるほか,石鹸やニトログリセリンの原料になる。