●古語拾遺 こごしゅうい
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807年(大同2),古来祭祀にたずさわっていた斎部氏の長老,斎部広成が神代以来の歴史と自らの氏族とのかかわりをまとめた書。1巻のみであるが,初めは別巻として殿祭祝詞と祭宮門祝詞が含まれていたらしい。今これらの祝詞は『延喜式』に収載されている。斎部氏はもともと中臣氏と並び朝廷の諸種の祭祀に大きくかかわっていた。にもかかわらず平安初期には藤原氏の同族である中臣氏が,斎部はじめ他氏を抑えて優位に立つにいたったので,広成は本書において氏族の立場を主張し,その差別的処遇に対する憂墳の情を述べたのである。本書は平城天皇の召問に答え斎部氏に伝わる旧説を記録するという体裁をとっており,天地開闢以来の叙述は記紀との比較上,興味深い内容を含んでいる。また巻末には斎部氏の立場からみて不当とするところが11条にわたって論じられている。書名の『古語拾遺』は本来,付せられていたかどうか不明である。著者の斎部広成の詳しい来歴などもわかっていない。