50音順    検 索

●黒死病 こくしびょう

ヨーロッパ ヨーロッパ AD 

 14世紀中葉,全ヨーロッパに蔓延したペスト。1346年,ペスト菌はクリミア半島のカッファからジェノヴァの商船により西洋へもたらされた。同年末までにイタリア諸都市にひろがり,翌年フランス,イングランド,ドイツ,スペイン,北欧スカンディナヴィアを侵した。1349年以降漸次下火になる。死亡者数はヨーロッパ全人口の3分の1と推算されている。人口激減は15世紀末になってやっと回復した。黒死病の大流行は人々にパニックと集団ヒステリー現象を引きおこす。疫病の原因をユダヤ人の毒物撒布に帰し,虐殺が行われた。また疫病つまり神々の怒りを宥めるため,鞭打の苦行行進をする人々が出現した。黒死病はヨーロッパ中世封建社会に甚大な影響を与えた。人的資源の消失は労働力不足そして経済活動の低下,とくに農業不振を招いた。イギリスでは1349年,「労働者勅令」などによって対策がはかられるが,実効はあまりなく,領主の直営地経営は継続が困難になった。