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●国際法 こくさいほう

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 国際社会の法で,条約・国際慣習または諸国家間の関係を規律し,諸国家のあいだの合意によって定められた法律である。限られた範囲において,国際機構と個人についても規律する。国際公法とも呼ばれる。

 国際法は,国家同士の対抗関係で生ずる権限の衝突や対立を防止し,調整する機能をもっている。とくに外国人の受入れ国が,在留するすべての人に対して行う主権と,外国人の本国が,国籍の結びつきを基準にして,在外自国民に対してもつ主権とが衝突する場合に顕著である。国際社会では,多くの国家がそれぞれ主権をもち,自分よりも優位な政治権力の存在を認めない。国際法は,19世紀後半から,国際社会の特定の共通利益を保障するために,国際的な社会集団のメンバーとしての国家の行動を規律する機能をもつようになった。

 国際社会の共通利益を保障する方法としては,多数の関係国が参加する特別の条約にもとづいて,国際的な制度を設定し,その管理を特定国にゆだねるか,または国連のような国際組織を設立して行うか二つある。

 多数国間条約にもとづいて,国際社会の共通利益を保障するための国際的制度がつくられ,特定国が管理の責任を引き受ける方式である。

 もう一つの方式は,国家の対外関係における政策を調整したり,各国内の行政事務の分野の専門職能に対応する目的で,多数国間条約により,国際組織を設立するというものである。

 第一次世界大戦までの国際法と,第二次世界大戦後の国際法とでは,相当大きな変化がみられる。第一次世界大戦後は戦争を違法化することが,国際法の最大の課題とされることになった。それと同時に,被害国に代わって,集団的に加害国に対して,制裁を加える体制を構築することが課題とされた。1917年のロシア革命により,国際社会に経済・社会体制の異なる社会主義国家が出現した。今日ではソ連および東欧の社会主義諸国は,資本主義国家と平和共存政策を推し進めている。とりわけ,ソ連と米国とは,社会体制を異にしていても,世界の超二大強国として,その利害を共通にする場面が現れてきている。

 植民地体制の崩壊という現象も,国際法に大きな影響を与えた。アジア・アフリカ諸国は,国際社会の新しい発展に応じた国際法の発展を要求したのである。そして海洋から資源エネルギー・貿易・投資などにわたり,新国際経済秩序の形成を推進した。

 植民・通商・戦争・中立などの事項を中心に国際法の規律が芽ばえて,その後,国際法の規律の対象は拡大する。政治・軍事面でも交戦・中立法規が整備され,仲裁裁判制度が登場した。19世紀以後は,工業所有権・電信・著作権・度量衡・鉄道運輸・衛生などにわたって,規律の対象となった。

 今日では,国際法は,国家相互間,国際組織と加盟国との関係だけでなく,ひろく個人の権利義務をも,その規律の対象として取り上げるようになった。

 国際法は,通常,平時国際法と戦時国際法に分けられる。平時国際法は外交官の特権・条約の一般的効力・国際紛争の戦争によらない解決などについて取り扱う。また,戦時国際法は,交戦・占領・捕虜の取り扱い・中立の条件などを取り扱うのである。

 さらに,国際法が法規範としての機能を実現するためには,従来の国際法では,完全に規律していない事項について,これを立法化することである。国際法の立法と適用を整備することによって,国際法の法的安定性が確保される。さらに,国際法が法としての機能を発揮しうるためには,制裁手段が組織化され,強化されなくてはならない。第1に,国際法に違反する行為は,これを無効とし,国際法上の利益や保護を剥奪するという方法。第2に,武力による制裁は,法的な強制執行としてだけ認め,それを行使する権限は国際組織の手に集中する。