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●国際赤十字 こくさいせきじゅうじ

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 国際赤十字とは,各国赤十字社,赤十字赤新月社連盟および赤十字国際委員会の総称。

【各国赤十字社】1860年代ヨーロッパを中心に創設され始めた各国赤十字社は,急速に世界各国にひろがり,1914年には39社,赤十字100周年の1963年には102社,1984年3月15日現在では132社に及んでいる。そして南北朝鮮・東西ドイツなどのいわゆる分裂国家にもそれぞれ公認された赤十字社が存在し,活躍している。回教国では宗教的な感情から十字を使うことを嫌い,赤十字といわず赤新月という呼び名や標章を用いる。ソヴィエト連邦を形成する共和国15のうち4共和国が赤新月社,残りが赤十字社と称し,本部をモスクワにおく赤十字社・赤新月社同盟を形成している。赤十字社として国際的に正式に承認される条件のおもなものとして,[1]その国がジュネーヴ諸条約の締約国であること,[2]その社が政府から傷病者救護における公的機関の補助機関として正式に認められていること,[3]1国1社で,代表する中央本部を有していること,などがある。その事業範囲は時代とともに拡大され,紛争時の傷病者・捕虜・文民・難民救護および自然災害時の救援事業,発展途上国赤十字社の開発援助など,人道事業のあらゆる分野をその任務としている。その財政は主としてメンバーの社費ないしは募金によってまかなわれている。

赤十字赤新月社連盟】1918年11月第一次世界大戦が終結したとき,アメリカ赤十字軍事評議会委員長ヘンリー=P.デビソンは,〈平時における健康の増進,疾病の予防および苦痛の軽減にあたる恒久的な世界的規模の十字軍として,各国の赤十字社を国際連盟に匹敵するような組織に連合する〉ことを提案した。翌1919年2月,アメリカ・イギリス・フランス・イタリア・日本の5カ国の赤十字社の代表が,いわば「五社委員会」を結成,その主唱のもとに,同年4月カンヌで開かれた国際医療会議は,この計画の早期実現を勧告した。赤十字国際委員会は,この勧告に対し,“創立の趣旨にある戦時救護を遂行する”考えを固執した。しかし,赤十字の平時事業は時代の要請でもあったので,同年5月5日パリの会議で,各国赤十字社の国際連合体として赤十字社連盟の設立を決定し,この日を創立日とした。

 赤十字社連盟の任務は,[1]各国赤十字社の人道的活動の奨励,[2]各国赤十字社の国内国際両面の事業の組織化とその実施を援助するための各社間の連絡・調整・研究,[3]各社の事業全般,とくに健康の増進,病気の予防,苦痛の軽減に関する協力,[4]国際機関との協力,[5]各国赤十字社の設立発展の奨励促進などである。赤十字連盟の財政は,各国赤十字社の年次分担金でまかなわれており,事務局はジュネーヴにある。なお,創立時の赤十字社連盟という名称を,今日赤十字赤新月社連盟と改めたのは,回教国における赤新月社を考慮したためである。

赤十字国際委員会】1867年オランダが救護団体を設立する際,赤十字社という名称を使用。1870年の普仏戦争におけるフランス・ドイツなどの各国救護団体の活躍は,赤十字の標章は信頼に値する救護事業の印象を一般人に与えた。五人委員会も1876年には,その名称を赤十字国際委員会と称し,1880年以後は正式に,各国救護団体の名称に赤十字を使用するよう指導している。その“任務”は,[1]赤十字基本原則(人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性)の維持,[2]新赤十字社の承認,[3]ジュネーヴ諸条約による任務の実施,諸条約違反に関する苦情の受理,[4]戦争・内戦または国内騒擾などの場合,犠牲者の状態改善のために中立機関ないしは仲介者として活動すること,[5]医療奉仕要員の訓練と準備,[6]国際人道法の完成およびジュネーヴ諸条約の理解と普及促進に寄与し,その将来の発展につとめることなど。

 赤十字国際委員会の最高方針は評議会(評議会員15〜24名)によって決定され,その活動はすべて執行理事会(理事7名以内)によって統轄される。これらのメンバーはスイス国民のあいだから選ばれ,本部はジュネーヴにある。なお,その財政は,主として各国政府および各国赤十字社の年次分担金,贈与・遺贈,刊行物の売上金によっている。

赤十字国際会議】国際赤十字の代表にジュネーヴ諸条約締結国政府の代表を加えた会議で,赤十字の最高議決機関。原則として4年ごとに開催。最初の会議は1867年パリで,1934年(第15回の会議)は東京で開かれた。戦後の赤十字国際会議のおもな決議事項は,平和宣言(第17・19・22回),血液事業の推進(第17・19・22・23回),原水爆の排撃(第17回),離散家族の再会・帰国の自由(第18〜20回),赤十字基本原則(第20・23回),武力紛争に適用される法規および慣習の再確認と発展(第21・22回),赤十字災害救援活動の原則および規則の制定(第21・22・23回),国際人道法の知識の普及(第22・23回)など。なお,赤十字3機関による代表者会議,赤十字赤新月社連盟総会が合わせて開催されることになっている。また赤十字国際会議は,国際赤十字常置委員会を設けている。これは,赤十字国際会議が開催されていない期間における,赤十字国際委員会赤十字赤新月社連盟の努力の整合・調和の確保,国際赤十字の規約の解釈・運用についての審査裁定を行う。なお,その委員会は個人の資格で選ばれた5名の委員と,国際委員会代表2名,赤十字赤新月社連盟代表2名の計9名によって構成されている。

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