●国意考 こくいこう
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賀茂真淵の著。1巻。晩年の1765年(明和2)成立が通説であるが,1760年(宝暦10)10月までには一応の成稿をみた。公刊は1806年(文化3)で,野公台(野村淡海)の「読加茂真淵国意考」,橋本稲彦の「弁読国意考」を付載。本書は人の問に答える形で儒教を批判し日本の国体の優秀性を主張している。国意とは日本固有の精神という意味で,中国の思想は聖人が国を治めるためにたくらんだ教えであるのに対し,日本の古代では教えを強制しなくても,自ずと人の道にかなっていた。日本人の心を毒す外来思想を排除して,古代の自然の道に戻るべきことを主張した。これは儒教道徳の束縛から,人間自然の性情を解放し,人獣鳥虫も同じとする自然主義と国粋主義を主張した書として,国学思想発展史上のちの本居宣長の「直毘霊」(なおびのみたま)とともに注目すべきものである。賀茂真淵全集をはじめ『日本思想大系』(岩波書店)などに所収。