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●五経正義 ごぎょうせいぎ

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 中国,唐の太宗が勅命で孔穎達(くえいだつ)らに編さんさせた五経についての注釈の決定版である。「正義」とは注(伝とか箋とかいう経の解釈)をさらに敷衍(ふえん)解釈したもの。つまり疏(そ)である。この事業の前提として五経の定本がつくられていたので,次はその五経の各々について取るべき注を決定した。『周易』上・下は王弼(おうひつ)注,繋辞以下は韓康伯注,『尚書』は孔安国注,『詩経』は毛享・鄭玄(じょうげん)注,『礼記』は鄭玄注,『春秋』は左氏伝杜預(どよ)注を取った。そしてこれらについて孔穎達らが疏つまり正義をつくった。これの完成によって五経本文の校定と解釈の統一ができたことは文化史的功績はもとより,科挙の便宜や知識階級の教養を統一させる効果もあった。しかしその反面知識の固定化の害を招き,人材を仏教界に走らせ,科挙においても明経科よりも文学を主とする進士科が優勢になるというように儒学界を不活発にした。