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●御恩・奉公 ごおん・ほうこう

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 主君が臣下に与える恩恵。有形上は地位・土地,無形上は保護,その内容はさまざまであった。荘園制では,本所領府が御恩として領所職や下司職に補し,武家社会では所領の給与すなわち給地を賜った。御恩の受給者は,主君に対し反対給付として滅私奉公の義務があった。御恩と奉私は封建社会の主従関係を結ぶ基本的契機の一つであった。御恩と奉公は片務的関係でなく双務契約による主従関係であり,戦場で親は子の屍を越えて進む気慨が尊ばれ,武威の充実のためには日常生活の簡素を旨とすることを尊ぶ。武家社会においては主家はつねに家領安堵・本恩給与(御恩)に対し軍事的負担を中心とする各種の奉仕義務を負っていた。これを果たすことを奉公するといっている。したがって原則的には双務的なものであるが,滅私奉公の内容によるときわめて献身の道徳の実践になりうる体のものもあった。ここに論議を生ずる余地があった。