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●古王国 こおうこく

アフリカ エジプト・アラブ共和国 BC2700 

 第3王朝から第6王朝(前2700〜前2200)をいう。初期王朝(第1・第2王朝,前3100〜前2700)のあいだに南北の融合が進み,溜池灌漑(ベイスン=システム)も完成の域に達し,安定した政治・経済状態から古王国の繁栄が生まれ,この間の首都はメンフィスに置かれた。第3王朝のジョセル(前2700ごろ)はサッカラに階段ピラミッドを築き,第4王朝のスネフルは二つのピラミッドをつくった。そしてクフ(前2600ごろ)にいたって最古最大の石造建築物,第1ピラミッドがギゼーに建設された。続いてカフラ・メンカウラ(前2525ごろ)が第2,第3のピラミッドを築いたが,当時の文献史料はほとんどなく,これらの巨大な遺跡から推定されるのは,王が神として崇拝され(神政)。有能な官僚群を使って人民の大動員を行ったこと,天文学・数学・幾何学が非常に発達していたことくらいである。

 第5王朝(前2500〜前2350ごろ)になるとヘリオポリスのラア(太陽神)崇拝が優勢になり,ピラミッドより太陽神殿のほうが巨大になった。この時期から現存する最古の宗教文献,ピラミッド=テキストが現れるが,これは王が無事昇天するためのさまざまな呪文を誌している。

 第6王朝(前2350〜前2200)ではエジプトはいまだ過去の栄光と繁栄を維持したが,最後の王ペピ2世(前2275〜前2185,現在まで認められている世界最長の治世)の晩年,中央集権が衰えて地方分権の勢がおこり,デルタ地帯には蛮民が侵入して社会革命を促進し,「第1中間期」と呼ばれる分裂と混乱の時期に入る。要するに古王国時代は人類の技術的・物質的能力を最大限に発揮した時期といえよう。これも王が神そのものという精神の現れで,分裂と混乱とを収拾した中王国においては,王は,神であるとともに「正義の牧者」という考えが確定したのであった。

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