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●幸若舞 こうわかまい

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 語りを主体とした中世芸能。南北朝の武将桃井直常の孫直詮が,比叡山に稚児として上り幸若丸と呼ばれていたときに,謡い出したとする。これはのちの仮託で,越前の院内(いんない)・声聞師(しょうもんじ)などが,それまでの曲舞(くせまい)を基礎に,「平家物語」「曽我物語」「義経記」などの軍記物語を加えて創造したものであろう。これが室町期の時流にあい,全国の声聞師たちが自己の芸とした。幸若舞の特色は,鼓などを伴奏に2〜3名が直垂・烏帽子姿で,長い物語を適宜に分けて語り,途中に節が入ったりする。詞章は“舞の本”と呼ばれる。稚児や女性の演技も歓迎され、都会などでは勧進興行も催された。地方では“舞々”と呼ばれ正月の門付けを行い,陰陽師配下として暦や守札を配る者も多かった。現在,福岡県瀬高町大江に3人立の幸若舞が残り,1月20日に演じられている。

〔参考文献〕笹野堅『幸若舞曲集』1938,第一書房