50音順    検 索

●公領 こうりょう

アジア 日本 AD 

 公権力の支配する土地。公地公民制を基本原則とする律令体制においては,口分田・公田等の土地がみな“公領”であったが,10世紀以降,私的所有的側面をもちながらも元来は輸租田として律令国家の支配下にあった荘園が,不輸・不入の権を得るなどその私領化をすすめたのに対して,国司・国衙の支配下にある土地をさして公領というようになった。しかし,荘園制の発展に伴って,しだいに国司の収入源としてその私領的性格を強め,中世に入ると一般に国衙領とも呼ばれた。内部は賦課単位としての名(名田)に区分され,その所有者であり直接経営者である名主が,年貢・公事・夫役を負担した。その意味では,国家が所有し支配する土地として荘園と対立したというより,内部構造・経営の面では実質的には荘園と変わらない土地であったと考えられるが,荘園と並立する形で,近世社会の成立まで存続した。