●高野山聖衆来迎図 こうやさんしょうじゅらいごうず
アジア 日本 AD
高野山の有志八幡講十八箇院が所蔵する平安後期の来迎図。絹本着色の絵で,いま縦横210.0cmの中幅と,縦210.0cm,横105.2cmの左右幅に分れているが,もとは一幅の大画面であったと思われる。中央に阿弥陀如来坐像を正面向きに大きく描き,その左右や後方に楽器や幡をもった聖衆を配し,前方に観音と勢至の2菩薩が先導するさまを描いている。画面の左下に紅葉した山があり,下方には広い水面がある。雲に乗って極楽浄土から来迎した仏たちは,いま大空を旋回して正面を向いたところで,聖衆は遠いものは小さく近いものは大きく描かれて,画面に奥行を与えるとともに,雲の形と相まって運動感の表現にも役立っている。阿弥陀如来は金色に彩られ,その衣には華麗な切金(きりかね)文様が用いられており,平安後期も12世紀後半の作であろう。もと比叡山の安楽谷にあったが,織田信長の焼打の時に高野山へ移されたと伝える。