●弘法栗 こうぼうぐり
アジア 日本 AD
弘法大師にまつわる伝説の一つ。弘法大師が,幼い子どもでも,手が届いて栗の実が採れるようにと,栗の木の下の方に実をつけさせてくれた。また,弘法大師が,子どもたちに栗を請うと,すなおに分けてくれたので,それからは小さな栗の木にたくさん実がなるようになった。このように,丈の低い木に実をつける弘法栗の伝説は,長野・岐阜・愛知・三重などの諸県にみられる。このほか,弘法大師の恩恵に浴して,1年に3度みのるという栗を得る三度栗の伝説もある。また,親鸞上人が説法をした際,茶受けの栗を庭に植え,〈わが説法に偽りがなかったら,年に三度実を結ぶべし〉といわれたが,そのとおり3度結実するようになった(福井県)という伝説もある。再び栗や二度柿の伝説もあり,三度栗およびその類の伝説は,長野・静岡・奈良をはじめ各地にみられる。伝説の主入公は,弘法大師・親鸞上人・源頼朝・徳川家康など高僧貴人が多い。