●黄土 こうど
アジア 中華人民共和国 AD
おうど(黄土)またはレス(loess)ともいう。直径0.01〜0.05mmくらいの微粒子が,風によって運ばれ,堆積して生じた黄灰色の土壌。粒子は風化されていないので角ばっており,また多孔質のため,通気性と透水性に富み,高い保水力を有する。成分はケイ酸・アルミナ・石灰分などが主たるもので,農耕に必要な水量が確保されれば,肥沃な黄土のもとでは高い生産性を示す。黄土の分布は中国の黄河流域が代表的であるが,そのほかに,アメリカのミシシッピ川流域・ヨーロッパの中央部にも存在する。中国本土の黄土は西北部の砂漠から,偏西風によって運ばれ堆積したもので,黄土高原を構成する。そのほかのものは,氷河が後退したのちの堆積物が風で運ばれたものである。【黄土高原】山西・陝西・甘粛3省にわたり,秦嶺山脈以北・太行山脈以西にあたる地域で,高度は海抜1,000m内外である。世界最大の黄土堆積が見られ,厚さは平均20〜30mくらい,最も厚い部分は100mに達する。この土壌は水の侵食に弱いが崩壊しにくいため,垂直の谷壁が存する深い溝状の谷が見られる。年降水量は400mm前後だが,夏の集中豪雨による土壌侵食が激しく,華北平原の洪水の原因になるので,本高原では植林運動が積極的に推進されている。