●幸田露伴 こうだろはん
アジア 日本 AD1867 江戸時代
1867〜1947(慶応3〜昭和22)小説家・研究考証家。本名成行(しげゆき)。別号蝸牛庵。江戸下谷三枚橋横町,俗称新屋敷に生まれる。家は幕府の表お坊主役を職とした。1879年(明治12)東京府第一中学に入学したが,翌年退学,東京英学校・菊地松軒の漢学塾などに通ったのち,電信修技学校に入学(1883)。卒業後北海道余市に電信技手として赴任した。1年ほどで帰京,文筆を志し,処女作『露団々(つゆだんだん)』を「都の花」(1889)に発表,中国・アメリカを舞台とし,外国人を登場させるなど,破天荒な国際的小説で,評判を博した。つづいて『風流佛』は出世作となったもので,若き彫刻師と木曽山中の花漬売りの少女との恋を骨子とし,結末の,仏像に生命が通ってくるという神秘的幽玄な文境に,露伴の浪慢的理想派としての特色が発揮され,尾崎紅葉の写実派と対照されて人気を集めた。同傾向の『対髑髏(たいどくろ)』のほか『一口剣』『辻浄瑠璃』『寝耳鉄砲』『五重塔』などのいわゆる「名人物」も読書壇の評判となった。そのほか,未完の長篇『風流微塵蔵(ふうりゅうみじんぞう)』『天うつ波』や,『頼朝』『平将門』などの史伝,中国明史に拠った『運命』,また『芭蕉七部集』の評釈そのほかの考証研究も名高い。
〔参考文献〕柳田泉『幸田露伴』1947,真善美社
塩谷賛『幸田露伴』3巻,1965〜68,中央公論社
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