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●小歌(小唄) こうた

アジア 日本 AD 

 日本歌謡の一種。平安時代からあるが,とくに室町時代中期以後にいたって広く貴族・武士・僧侶・庶民のあいだで愛唱された自由律・短小詩型の流行歌謡である。文献の上では981年(天元4)に成立の『琴歌譜』の中にある和琴伴奏の歌が最も古い。小歌というのは,陰暦11月に行われる五節帳台詞の時に大歌(人)が発する歌笛に対して出歌(いだしうた)を奏して唱和した小歌(女官)という女流楽人をさしたもの。つまり小歌女官が歌った歌である。恋愛を中心とした世俗的な歌詞が多く,曲節は優婉なものであったらしい。資料としては1518年(永正15)の『閑吟集』,安土桃山時代の『宗安小歌集』,高三(たかさぶ)隆達編『隆達小歌』,狂言小歌などがある。小歌は戦国時代から諸国に流行した各種の風流(ふりゅう)踊歌を包含するようになり,手拍子や一節切(ひとよぎり)で行われた。詩型は五音・七音を用いて進展し,やがて近世歌謡の律調を支配するにいたった。