●高僧伝 こうそうでん
アジア 中華人民共和国 AD
14巻。梁の慧皎(497〜554)撰。全体は訳経・義解・神異・習禅・明律・亡身・誦経・興福・経師・唱導の10篇に分類され,専伝を立てられた者257名,附伝の者243名の伝記を収める。巻末の自序によれば,慧皎は当時に行われていた名僧伝という名称に慊ず,評判ばかり高くて実質を伴わぬ,時流に乗って名声を博した“名僧”を否定し,実践者有徳者でありながら世にその名の現れぬ者こそ“高僧”であり,そのような人物を記録すると述べている。『高僧伝』と称する所以である。本書の内容は,著者の慧皎が南朝の人であったため,北朝の記録に乏しい欠点がある。しかし訳経・義解に始まる分類法は,後世の史伝作者に大きな影響を与え,篇目の名称や順位が変えられることはあっても,おおむねはそのまま踏襲された。本書は,のちの唐の道宣の『続高僧伝』,宋の賛寧の『宋高僧伝』と区別して『梁高僧伝』とも呼ばれ,中国仏教史研究の基本史料の一つである。