●好色一代男 こうしょくいちだいおとこ
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浮世草子。井原西鶴作。1682年(天和2)刊。主人公世之介(よのすけ)の一代記という構成で展開する8巻8冊の作品。浮世草子の最初のものとされる。大町人と高名な遊女のあいだに生まれた世之介が,7歳の時に性に目覚め,以後諸国の好色風俗や遊里を見聞して歩く前半4巻と,ばく大な遺産を受け継いだのち,京・大坂・江戸の遊里の著名な遊女とかかわりをもち,それにもあきはてて60歳の時,「女護の島」へ同志とともに船出する後半4巻とから成る。その54年間が,それぞれ独立した短編としても読める54章に配されている。そこでは,『源氏物語』『伊勢物語』などの古典を俳諧化しつつ,当時の風俗や人の心を描きあげようとする方法がとられ,その清新な発想・文体・内容などによって,仮名草子の域を抜け出している。西鶴の俳諧から浮世草子に転ずるきっかけとなり,浮世草子の出発点として好評を博し,後世に大きな影響を与えた作品である。