●交鈔 こうしょう
アジア 中華人民共和国 AD
中国,宋・金・元・明代に発行された紙幣。時代により,また地域によって呼び名が異なる。宋代には交抄・交引,地域的には会子・交子・銭引などと呼ばれ,金・元代には交鈔,明代には宝鈔と呼ばれていた。交はつきあわせてたしかめる,抄・鈔・引は書券の意味である。北宋では初めて交鈔が使用されたときには約束手形としてであったが,銅銭との引換えを約束した見銭交鈔の盛行によってしだいに紙幣同様となっていった。金・元・明の各王朝下では最初から紙幣として準備され流通した。商業の発達によって貨幣経済の進展するなかで,軽くて携帯に便利なことや,軍事費の捻出などに便利なことが流通発展の理由である。ただ,一片の紙幣に価値をもたせるのであるから管理が大変で,政府の信用の下落,国庫の窮乏による濫発などでしばしば混乱をきたし,明初の使用を最後に使用されなくなっていった。〔参考文献〕前田直典『元代に於ける鈔の発行制度とその流通状態』元朝史の研究,1973