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●公共投資 こうきょうとうし

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【公共投資の内容】公共投資の内容について一義的な規定はないが,政府およびその関係機関を通じて行われる投資という程度に理解されている。したがって財政投融資をも含めた広い意味での財政投資といってもよい。投資とは厳密に国民経済計算上の概念で,社会的に実物資産の増加となる支出すなわち資本支出でなければならない。したがって国民経済計算に即して行われうる公共投資の定義は,公的(一般政府および関係機関)資本形成として計上される支出である。公的資本形成の大部分は固定資本形成である。ちなみに日本の政府支出のうちで資本支出の占める割合は,1934〜36年(昭和9〜11)平均では約17%であったが,1982年(昭和57)には約47%に増えている。これは現代の公共投資の役割の増大を暗示している。また昭和56年度において国民総生産に占める国内総固定資本形成の割合は約31%で,そのうち約3分の1は公的固定資本形成である。経済企画庁の分類によれば,公的資本形成は行政投資と産業投資に分けられ,行政投資はほぼ国および地方公共団体によって支出される公共事業費に該当し,産業投資は公営事業や公営企業が行う資本形成である。

【公共投資の経済的意義】公共投資は生活基盤・産業基盤を含めた社会的共通資本や公共施設の建設活動であるから,広い意味での社会的生産力の増強と国土環境の保全という固有の意義をもっている。これらの事業が公共によってなされねばならないのは,[1]いわゆる技術的不可分性が強く,規模の利益を生かすためには大規模投資を必要とするが,これは私企業にとっては資金的に不可能であるか危険度が大きい。[2]公共財的性格が強く私企業に供給を期待することができない。[3]外部効果が大きい。[4]公益事業的性格が強く,営利目的から価格形成や供給政策が決定されることは社会的に望ましくないと判断される,などの理由による。公共投資のもう一つの意義は,私企業による投資と同じく,それが有効需要創出の効果をもつことに由来する。ケインズの有効需要の理論,なかんずく投資乗数の理論によれば,実質国民所得は有効需要の大きさに等しく定まるが,有効需要の大きさは投資の変化に応じて,その数倍(これを投資乗数という)の大きさで変化する。実質国民所得の変化はそのまま景気変動を示すから,景気変動は投資の増減に左右されることになる。ところが投資は本来私企業が行うものであり,私企業の投資は誘発投資的性格が強くて景気調整の効果は期侍しがたい。そこで政府の財政支出による公共投資が景気政策として大きな政策的意義をもつことになる。公共投資といえどもその資金源に関しては,財政収入による制約から完全に自由ではないが,かなりの程度までは政府の裁量によって自由に定めうる独立投資的性格をもっており,しかも政府経常支出にくらべて機動的に実行することができる。不況期には公共投資を増大させて景気の回復をはかり,好況になればこれを縮小する。不況時に一時的に財政赤字となっても,長期的に財政収支を均衡させることができればよいので,一時的な財政収入の不足によって制約されることはない。このようにして現代では公共投資は,金融政策とならんで,景気政策としての財政政策の中心にあって最も重要な役割を担っているといえよう。

〔参考文献〕貝塚啓明・館龍一郎『財政』1973,岩波書店

藤田晴『財政政策の理論』1966,勁草書房

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